3:50 本日はようこそお越しいただきまして誠にありがとうございます ただ今から龍谷大学宗教部ならびに 龍谷エクステンションセンター主催特別公開講演会 『歴史の忘却に抗してガザのジェノサイドと私たち』 を開会いたします 改めまして本日は多数の皆様に会場にご来場いただきまして 誠にありがとうございます またYouTubeでご参加の皆様も ご視聴誠にありがとうございます 本日司会を務めさせていただきます 龍谷大学宗教部の安食と申します 本日はどうぞよろしくお願いいたします 龍谷大学は
4:36 あらゆる壁や違いを乗り越え 世界の平和に寄与するプラットフォームとなることを目指して 様々な取り組みを進めてまいりました そんな中、2023年10月 ハマス主導のガザのパレスチナ人戦闘員による 越境攻撃に対して イスラエルによる未曾有のジェノサイド攻撃が始まりました その後状況は悪くなる一方であります 本日の講演会 シンポジウムはパレスチナ、ガザで 起こっていることを私たちが知り この現状を変えるために そしてこの現状を終わらせるために 私たち自身が傍観者ではなく声を上げ 行動していくことを目指して開催いたします
5:26 本日は登壇者の皆様をできる限り 「さん」付けで呼ばせていただきたいと思いますので どうぞご了承ください 本日第一部では 早稲田大学文学学術院教授の岡真理さんから約1時間 ご講演をいただきます その後第二部では岡真理さんに加えまして 龍谷大学学長の入澤崇さんと 国際学部教授の久松英二さんによるシンポジウムを行います 終了は19時の予定でございます 長丁場となります お手洗い等 ご遠慮なく手配していただいても結構かと思います どうぞよろしくお願いいたします
6:12 それでは早速ではございますが第一部を開始させていただきます 第一部では 本日のご講師 早稲田大学文学学術院教授の岡真理さんから ご講演をいただきます ご講師の紹介をさせていただきます 岡真理さん 東京外国語大学大学院修士課程を修了され 財モロッコ日本国大使館専門調査員 京都大学の人間環境学研究科教授を経て 現在早稲田大学文学学術院の教授でいらっしゃいます 専門は現代アラブ文学ということで 文学者ということでございますが パレスチナ問題にも深く関わってくださっております
6:58 それでは岡さん どうぞよろしくお願いいたします ご紹介どうもありがとうございます岡真理です 皆さん今日は 大変寒い中お集まりくださいましてありがとうございます またこのような貴重な機会を作ってくださいました 龍谷大学入澤先生をはじめ 関係者の皆さんにも心からお礼申し上げますで このガザに対するジェノサイドは すでに460日以上続いていますが 間もなく停戦になるかもしれないという風に伝えられています
7:45 本当に一刻も早く停戦になってほしいんですが でもイスラエルはまるで停戦になる前に もう可能な限り たくさんのガザのパレスチナ人を 殺したいと思っているかのように爆撃が続いています 毎日何十人という人たちが殺されています このような今 マスメディアがガザに注目するのは こうした一時に大量破壊や大量殺人が起きている時だけです なので皆さんがガザの写真に等に触れるのは
8:34 このように瓦礫となってしまった 灰色のガザだけかもしれません ガザは2007年にイスラエルによって完全封鎖されました そして2023年10月7日の 今回のこのジェノサイド攻撃が起こるまでに その大規模な軍事攻撃が4回繰り返されています その封鎖されて逃げ場のない ガザに繰り返し攻撃が見舞われる前の 2006年のガザシティの様子 こんな綺麗な町でした 地中海からガザを望んで 後ろには日本でいうところのタワーマンションですね
9:21 高層の集合住宅も見えます 青い空 青い地中海でこんな綺麗な町 これは北部のガザシティですけれども ガザ地区全体で360平方キロで 人口は今回の攻撃が始まる前 約230万人でした 京都市の人口よりも多いんですね だいたい名古屋が326平方キロで 人口が230万人ですので 名古屋市のようなところを イメージしていただければいいと思います ですから私たちが日本で京都で 生活している私たちと変わらない
10:06 近代的な都市生活をしている人たちなんだということです 大学もいっぱいあります いや、ありましたと言うべきですが 全て破壊されてしまいましたので それからその大学生たち ただ肌の色が違う 髪の毛の色が違う 目の色が違うだけで 日本の大学生と変わらない 話してる言語が日本語かアラビア語かの違いだけです こういう都市 それが今このような状況になってしまいました ガザの住宅のとりわけガザ北部ですね ガザシティ8割が破壊されてしまいました 230万人の住民のうち200万人が家を追われ 住んでいた地区を追われ避難生活を送っています
10:53 中にはこの15か月の間に 10回以上避難を繰り返している者たちもいます その場しのぎのブルーシートなどの テント暮らしをしている人たちも大勢います 今日のこの講演会 フライヤーを見ましたら いのちと平和を考える特別講演会という風に 記載されていました 命とは何でしょうか?平和とは何でしょうか? ジュネーブに本拠を置く ユーロメッドヒューマンライツモニター ヨーロッパ地中海人権モニターという国際NGOがあります
11:38 このNGOが これは2023年11月2日 まだ攻撃が始まって一ヶ月も経ってない時点です その時にイスラエルはガザに対して ここでは核爆弾と書いてありますが 火薬の量に換算して広島型原爆個2個分の攻撃を行っている 一ヶ月足らずでです さらに2024年1月はじめまでの3ヶ月の間に
12:25 原爆3個分相当を そしてこれまでに4個分以上の攻撃を行っています こちらの方は アメリカ人の整形外科医のお医者さんで ガザ地区にボランティアとして入って活動して 医療奉仕の活動を行っていました 昨年戻ってから アメリカ、イギリスのメディアに インタビューで答えている これは昨年の7月段階ですけれども 彼は30年のキャリアがあり 40のミッションをこなして グラウンド・ゼロであるとか あるいは自然災害の被災地であるとか紛争地に行ってきたと
13:12 でもこれまでの30年のキャリアで 40のミッション全て、目にしてきたもの体験してきたもの その全てを合わせても ガザの最初の一週間に見たものには遠く及ばないと語っています タイトルにもなっていますけれども 『こんなものは目にしたことがない』とで 昨日までの1月14日現在で 攻撃が始まって466日が過ぎました ガザの保健省の発表の数字では ミサイルなどの直接的な攻撃によって 遺体が確認されている者たちが4万6565人です
13:59 そして行方不明者が1万1千人とありますけれども これは地上侵攻したイスラエル軍に拉致されて イスラエルに強制連行されてイスラエルの刑務所なり 拘留センターに拘留されている者たちも含みますけれども 大半が瓦礫の下敷きになっていて 未だ遺体が収容されていないもの あるいはもう殺されて 行方不明になってしまっているというものたちですね ですから 彼らを加えたら 死者は5万人を超える6万人に迫るわけです これはガザの保健省発表の数字ですけれども
14:47 つい最近1月7日にイギリスの 非常に権威のある医学雑誌でランセットというのがありますが そこで発表された研究論文によりますと その複数のソースから集計したところ これが発表されたのは1月ですけれども 統計を取ったのは2023年10月7日から 2024年6月までの8ヶ月間です そうしますと その当時7月段階で3万7000人ぐらいの死者 という発表だったんですが 複数の情報から検討すると だいたい41%ぐらい少ない、と
15:34 つまり実際の直接的な攻撃による死者というのは ガザの保険省が発表している数字の1.4倍くらいにあたると いう風な発表をしています ということは 最初の3ヶ月間で原爆3個分ですから そのペースが続いているわけではないですけれども 先ほど4万6000人という発表ですけれども この1.4倍ぐらい、6、7万に及ぶわけですね
16:19 それにさらに行方不明者1万人がいる もう一つ これは昨年の7月に同じランセットで 発表された記事ですけれども 近年の紛争では間接的な死者 ですからミサイルだとか爆撃、砲撃による直接的な死者に対して 病死とか餓死ですね そうした間接的な死者というのは 3倍から15倍に上るそうです その直接的死者1人につき 間接的死者4人という これかなり控えめです こんなもの目にしたことがない と言っているような状況ですから 15倍でももしかしたら足りないかもしれないけれども
17:06 極めて控えめに見積もって4倍だとしても 今ガザの死者が ガザの保健省発表の数値の1.4倍で7万人に迫るとしたら 35万人になるということになります 間接的死者を含めたら 実際に現地に行っていたお医者さんが 書いた文章を読みますと 現地にいた感触では 20万から30万人が殺されているような印象を受ける という風に語っていましたので 本当にそうなんだろうと思いますね 命とは何か平和とは何か
17:51 もう一つガザというものが私たちに問いかけているのは 人間とは何かということだと思います グテーレス国連事務総長がですね これは2023年11月6日 攻撃が始まって一ヶ月の時点で語ったことは ガザの悪夢というのは人道危機を凌いでいると それはヒューマニティの危機であるという風に語りました でその一年後、2024年の12月6日です その発言から一年一か月後 グテーレス事務総長は自身のXに以下のような投稿をしました 『ガザの破局的事態というのは
18:37 私たち(人間) に共通するヒューマニティの完全な崩壊に他ならない』 という風に語っています 日本の主流大手メディアによる新聞やテレビの報道 これも日本だけではないです西側諸国全てですけれども その報道では その報道の量的にも質的にもこのグテーレス事務総長をして ヒューマニティそのものの完全崩壊と言わしめるような そのガザにおける破局的事態の 破局性ですね それを伝えていないために なんかすごく大げさに聞こえるかもしれませんが しかしまさに
19:25 そのようなことがガザで起きているのだということ この一年で ヒューマニティの危機から ヒューマニティの完全崩壊に至ってしまっている ということになります 先ほど200万人近い人々が非常に劣悪な環境で 避難所暮らしあるいはこうした海辺 町の中はテントを張るところもありませんので 海辺、浜辺にテントシティが出現しています そこに何十万という人たちが暮らしている そしてガザは地中海に面しています 地中海四機気候というのは冬が雨季です 冬にまとまった雨が降ります この間の気候変動で雨の量も相当増えています
20:14 ですから度々 この海辺のテントシティが 嵐で洪水に見舞われています こういう状況です 昨年12月のはじめから 年明けまでの一ヶ月の間に把握されているだけで 8人の赤ちゃんが低体温症で凍死しています みんな生後一ヶ月に満たない赤ちゃんです 本当にこのお正月ですね 温かい家の中でぬくぬくと しかも美味しいお節とか食べながら なんて罪深いんだろうって。人間であるということ
21:03 それ自体が非常に罪深いもののように感じました ガザの人々が私たちに問いかけているものというのは 私たちガザのパレスチナ人というのは人間ではないのですか、と 私たちはあなたたちと同じ人間ではないのですかということです でもガザのパレスチナ人が私たちと同じ人間である などというのは当然のことです 問うまでもありません あるとすれば これは翻って言えば この私たち自身は人間であるのかということです あるいは人が人間であるというのは 一体どういうことなのかということ
21:52 この右側の男性 ヴィットリオ・アッリゴーニさんと言いまして イタリア出身の人権活動家です 彼は封鎖されたガザに入って ガザの人たちの人権擁護活動にあたっていました 2007年に封鎖が始まり 2008年の暮れから封鎖されてもうガザを出ることができない 逃げ場のない当時150万の人々に対して イスラエルは空から海から陸から無差別な攻撃を行ったんですね その時ガザに入っていました いよいよイスラエル軍が地上侵攻するとなった時に
22:38 外国人だけ 地上侵攻になってガザ内部にいたら危険だからということで 外国人は出れるということになった その時ですね ヴィットリオさんは ガザのパレスチナ人と自分たち外国人と何の違いがあるのか 自分たちの命の方が ガザのパレスチナ人の命より 大切だなんていうことはないと そして自分たちが出ていってしまったら 誰がガザで起きているイスラエルの犯罪を 外に向かって訴えるのだ と言って彼は国外に出ることを拒みました この時ヴィットリオさんだけでなく 他にも同じ理由でガザにとどまった活動家たちがいます
23:24 停戦になった後も ヴィットリオさんはガザにとどまって活動を 続けていたのですけれども 2011年に武装グループに拉致され殺されてしまいました これに対してはハマースをはじめガザの小組織がですね 非難声明を出しています 生前ヴィットリオさんが日記をつけていた それ彼が亡くなった後一冊の本にまとめられました 原著はイタリア語ですけれども その原題は英語にすれば 『STAY HUMAN』人間にの側にとどまり続けることです この日記の中で彼は繰り返し
24:09 ステイヒューマンという言葉を繰り返しています この左の男性 彼はイブラーヒーム・ナスラッラーという パレスチナ難民二世のヨルダン在住の作家です 彼が第二次インティファーダ これは2000年から2005年まで足かけ 4年4ヶ月にわたってですね イスラエル占領に対する占領下民衆の一斉放棄ですけれども この時に 第二次インティファーダを舞台にした ガザの難民キャンプを舞台にした 『アーミナの婚礼』という小説を書いています
24:56 アーミナというのは ガザの難民キャンプに暮らす女性ですけれども そのアーミナさんの婚礼をテーマにしているのではなくて 彼が日々 イスラエルのスナイパーに愛するものが 殺されていくという そのガザの日常の中で自分の愛する人たちの幸せを願って 縁結びを考えるというそういう小説です その中でアーミナの夫が彼女に言う言葉があります 「人間にとって真の敗北とは何か それはこの世界の中で 自分の他に大切なものは何もないとなってしまった時 人間は真に敗北するのだ」
25:42 という風に語っています 2023年10月7日以来だけではなく パレスチナ人は1948年に難民となって ガザに渡ってきて それ以降ずっと今年でもう77年目に入りました この80年近い間 そしてガザ地区が占領されて あと2年で60年を迎えようとしています そして封鎖されて18年の間彼らが戦っているのは イスラエルではありません もちろんそのイスラエルの占領と戦っています 彼らの本当の戦いというのは この打ち続く難民生活、占領下で そしてこの封鎖下でいかにして人間であり続けようかという
26:29 そういう戦いです 何もかもが戦争前とりわけ食料ですね 今、何十倍という価格になってしまっています そうしたその食料がある者たちという中には この期に乗じて 一儲けを企んでいるようなものたちもいます これは昨日読んだ記事なんですが エレクトロニックインティファーダという パレスチナの情報サイトにありました 昨年11月に本当に8割近くの建物が破壊されてしまった もう瓦礫になってしまったガザシティに リラックスカフェというカフェがオープンしたと このカフェのオーナーというのは
27:17 戦争になる前にカフェを考えていたんだけれども 戦争になってしまって でも今オープンしても爆撃でいつ破壊されて 全て失ってしまうか分からない 分からないけれども でも人がこんなカフェを必要とする時があるとしたら 今こそその時だと 戦争が私たちの知っている生活の つまり 人間らしい生活の痕跡をことごとく破壊している時だからこそ 私たちは戦争が終わるのを待つのではなく 今このカフェをオープンするという そういう行動に移らなければいけないんだと考えて オープンしたと このカフェに行った方が書いています もちろん戦争前よりは値段が高いんだけれども
28:03 でも非常にリーズナブルな価格で提供している これはオーナーの言葉ですが 「このカフェは単に飲み物や食べ物を提供するだけではない」 「人々に僕たちは生き続けていくんだ」と 「たとえどんな暗い闇の時代であっても ということを思い出してもらうためオープンした」と 「僕たちはすでにたくさんのものを失った」 「このカフェはでも僕たちはなおもここにいて なおも生き続けていて どんなささやかであろうと 人間として人間らしい喜びの瞬間を持つに値するんだ」 という そのことを人々に伝えるために このカフェを開いたという風に語っています
28:51 ですからまずガザ、ヨルダン川西岸地区もそうですけれども パレスチナ人にとってはとにかくパレスチナに居続けること イスラエルが自分たちを民族浄化しようとしているから まず居続けること存在すること自体が戦いであり ガザのこの状況の中では とにかく生き続けることが戦いであるわけですけれども その時になおこのカフェをオープンするというのは ただ生き続けるのではなくて 人間であることを失わない他者 他者の喜びのために生きるという戦いをしている 人たちがいるということを ぜひ知っていただきたくてご紹介いたしました この男性はイスラエルの解任されましたので
29:37 前国防大臣ですね ガラント国防大臣 彼は10月7日の攻撃が開始された直後に 我々が戦ってる相手というのは ヒューマンアニマル、人間動物なんだと だからそれに見合った処遇をするんだと 食べ物も燃料も医薬品も入れないということを言ったわけです 人間動物なんていうのはひどいと私たちは思うと思います 私たちはガザのパレスチナ人を 私たちと同じ人間であるとみなしているでしょうか 多分口ではそう言うと思います しかし私たちは
30:22 本当にそのようなものとして行動しているでしょうか? ガラント国防大臣と私たちは本当にそれほど違うのでしょうか このジェノサイドのただ中で これが人間かと思われるような生と死を強いられながら それでもなお 人間の側に踏みとどまろうとする者たちと パレスチナ人を人間動物と呼んで その命を蹂躙し社会を破壊している 別の意味でこれが人間なのかと思わざるを得ないものたち 私たちは それら両極に位置する二つの人間たちの間の どこに
31:08 そのどちらにより近く位置しているでしょうか ガラント前国防大臣は 国際刑事裁判所から 戦争犯罪者として逮捕状が発行されています その容疑というのは餓えです 餓えを戦争の武器として使っているからというものです 暴力的な写真をお見せします まさに餓えによって ガザの子供たちはこういう状況になっています こちらの男の子ヤザン君と言って 10歳、昨年の3月に亡くなりました
31:54 生まれた時から病気で 食べることができるものが限られている しかしもう食べ物全般が無くなっている中で 彼が食べられるもの自体を入手するのが 非常に困難になってですね 次は彼の遺体の写真になります 本当に白骨ではないかと思われるような こういう状況になって亡くなってしまいました そしてそのガザの親たち 子ども達のお腹を満たすために 食料を血眼になって探しているけれどもない 雑草まで食べてさらには家畜の餌を食べて でも不衛生なものですから
32:39 それを食べることによって体を壊すわけですね また痩せさらばえた家畜も食べ それがなくなったら野良犬や野良猫も殺して食べていると しかしそうした野良犬野良猫も餓えていますので その道端で放置されている遺体などで餓えを凌いでいた そんなものまで食べていると でも親は自分が食べないでも 子供に食べさせて 食べ物を奪い取るための 強奪するというようなことも起きているし またそんな中でも食べ物ある人はいるんですね そうすると売買春なども起きていると ご想像いただきたいのは あらゆることをしていてもなすすべなく
33:27 自分の目の前で子供たちがこうやって 餓えて死んでいくのを見守る親たちですね それからお腹に赤ちゃんのいる女性 十分な栄養もありません 繰り返す避難生活あるいは攻撃にさらされて というようなストレスの中で 多くの女性たちが流産を余儀なくされています 出産を迎える女性たちも産前のケアなど何もないまま そして病院 イスラエルは組織的に ガザの医療システムを破壊していますので 病院もまともに機能していない薬もないような中で
34:12 麻酔薬もなく帝王切開をして そして出産してわずか数時間で子供を抱えて 何時間も歩いてテントに戻るという そういう状況です 昨年まだアメリカの大統領選が戦われている時ですね ハリス副大統領が大統領候補になって アメリカ社会の中で男性大統領を求めるアメリカにあって 女性のハリスさんが大統領になれば 世界中の女性をまず言うまでもなく 世界中の女性を勇気づけるだろうという 日本の記者の発言が毎日新聞ですけれども
35:00 記事になっていました でも今申し上げたような女性たち 状況にあるわけですね ハリス副大統領というのは バイデンのハリス政権のこのジェノサイドの責任者です この人が大統領になって世界中の女性が喜ぶとすれば その世界中の女性の中に パレスチナ人のガザのパレスチナ人の女性は入っていません つまりガザのパレスチナ人の女性も男性も言ってみれば 自分たちと同じ人間にはカウントされていないということです これをそのまま記事にした新聞社の人たちもそういうことです
35:49 10月7日以来ガザで一体何が起きているのか そしてその問題の根源というのは何なのか 日本の主流メディアは報道していません ここでは先ほど挙げた問いの中の平和とは何なのか というのをもう一度考えたいと思います 戦争さえなければいいんでしょうか 平和とは何とかがない状態のことだと定義するとしたら 皆さんはここに何という言葉を入れますか? 平和とは戦争がない状態のことでしょうか 大学の授業などでも パレスチナの話をして
36:35 学生が提出する感想の中に平和な日本に暮らしていると、とか 日本は平和だからと書いてくるものたちがいます そのように書いたものたちにとっては日本は平和なのだと その人は平和な暮らしをしているのだと思います しかし、これは日本国憲法前文ですけれども 全世界の国民というのは誤訳だと思いますので 人々が等しく恐怖と欠乏から免れ 平和のうちに生存する権利を有するという風に 私たちは考える 恐怖と欠乏から免かれ 確かに戦争の恐怖はないかもしれない では沖縄はどうでしょうか いつオスプレイがあるいは米軍のヘリが落ちてくるかわからない
37:25 あるいはいつ 沖縄が占領されて ずっと沖縄の女性たちは 米兵による性暴力の犠牲になってきました 本土の人間が騒いだのは 小学校6年生が犠牲になって初めて騒いだけれども それ以前にも 中学生だって同じような目にあってるわけですね 沖縄は平和なんでしょうか あるいは在日コリアンはどうでしょうか ヘイトスピーチ規制法がない時は 京都にも在特会をはじめとするヘイト団体が来て そうしたヘイトデモを行っていましたけれども そうした者たちが来なくなっても
38:13 例えば京都には朝鮮学校がありますね 初級学校に対する襲撃事件もありました あと銀閣寺に朝鮮の中級高級学校がありますが 彼らはあるいは彼女たちは 制服が2種類あるということをご存知ですか? 夏服と冬服ではありません 学校の外で 通学の時に通学や下校の時に着る 日本の学校に通っている高校生 中学生と変わらない制服と 校内に入って初めて着ることができるチマチョゴリの制服です つまり外をチマチョゴリの制服で歩いていて
38:59 朝鮮学校の生徒だと分かると 何をされるか分からないという恐怖があるからです 銀閣寺の近くにありますので 観光客が制服を着てるから地元の人だと分かる 道を聞こうと思って日本人が近づいてくる 何をされるか分からないというのが怖くて 表通りは歩かないという生徒さんもいるそうです あるいは日本の大学生で 第二外国語で韓国語、朝鮮語を取っている人 電車やバスの中でその教科書を開くことなんて 何にも恐怖じゃないと思います でも朝鮮学校の生徒さんたちは 朝鮮語の教科書をそうしたところで開いて 何をされるか分からないという恐怖を抱いていると
39:46 ですからまさに日本は平和だと平和な日本に暮らしていて という風に書けてしまうということは 言い切れてしまうということは この日本で暮らしながら このような恐怖の中で生きているものたち その者たちを同じ社会に生きているものとして カウントしていないということになります 平和とは 長らく戦争がない状態のことだと思われていました だからその当時の平和学というのは戦争はなぜ起こるのか どうしたら予防することができるのかという戦争学でした しかし70年代にノルウェーの平和学の父と呼ばれている ヨハン・ガルトゥングが
40:32 その平和を再定義します 平和というのは戦争ではなく戦争がないだけではなく 暴力がない状態のことなんだと 彼は暴力を3つに分類します 物理的な破壊や殺傷を伴う直接的暴力 その最たるものが戦争です そしてそれ以外にも暴力ってあるんだ まさに恐怖だとか欠乏ですね それを人間に強いる貧困だとか差別だとか構造が生み出す暴力 占領や封鎖もこの構造的暴力にあたります 平和とはこの戦争というような直接的暴力がないだけでなく この構造的暴力もない
41:18 なくて初めて 人間にとって本当の平和だと言えるんだと 戦争がないだけでは消極的平和に過ぎない 積極的な平和 本当の平和というのは 構造的暴力までもないことなんだと もう一つガルトゥングは文化的暴力というものも 定義しました これは直接的暴力や構造的暴力を正当化したり 維持したりするような考え方や思想 あるいは態度、行動のことです ジャーナリズムというのは何か 日々起こる社会的な事件や問題について その有様と本質を早くまた深く公衆に伝える作業
42:08 というような定義があります しかし2023年10月7日に イスラエルで何が起きたのか? そしてそれ以降ガザで何が起きているのか その有様と本質というものを日本の主流メディア 日本だけじゃない西側諸国の主流メディアもそうですけれども 伝えていません そしてそれはなぜ起きたのかという この出来事の文脈 歴史的背景も伝えていません だからこれ まさに伝えないことによって それを社会に広く知らしめず本当のことを知らしめず それが結局これ自体がまさに文化的暴力なわけですね
42:55 グテーレスさん、一昨年ですね 10月25日にハマースによる10月7日の攻撃というのは 決して真空状態で起きたのではないということを 言っています つまり歴史というのは突然10月7日に始まったのではなく ハマースの残忍なテロと言われているもの その多くが嘘偽りであった ということが今明らかになっているんですが そのことはイスラエルの新聞も報じていますけれども 西側メディア日本のメディアも訂正記事は 依然として出していません これ文化的暴力ですね 仮によしんばそのような攻撃がテロであったとしても
43:43 それが起きるには起きるなりの理由 すなわち歴史的背景があるんだ それは何かと言えばパレスチナはイスラエルによって 半世紀以上に渡り占領され その占領下でパレスチナ人は窒息状態にあったんだ ということを言っています このように10月7日に起きた出来事を文脈化したために そのなぜ起きたのかということを 語ったためにグテーレス事務総長は イスラエルの国連大使から反ユダヤ主義者だと名指され 罷免を求められています 今このような形でイスラエルが行なっていることは ジェノサイドであるとか イスラエルはアパルトヘイト国家であるとか あるいはイスラエルのナショナルイデオロギーである
44:29 シオニズムというのはこれは入植者植民地主義なんだという そうした形でイスラエルを批判する者たち ことごとく反ユダヤ主義者というレッテルが貼られ ですからアメリカの大学等では今 私が申し上げているようなことというのは 表立っては言えないです そしたら反ユダヤ主義者だっていう街宣車が 来てそして 理事会がその人間をクビにする というような状況になっている ですからこういう 反ユダヤ主義というレッテルを貼ることによって批判を封じる これも文化的暴力になります まず日本のメディアは 戦争という直接的暴力 スペクタクルにしか注目しません 封鎖下のガザに対して
45:16 このように第二次インティファーダが終わって以来 封鎖されてこのように繰り返し攻撃があった その時だけ注目して報道するけれども 一度停戦になってしまったら もう問題にすることは何もないかのように アパルトヘイトも占領も封鎖もずっと続いている そうした構造的暴力が続いているにもかかわらず ピタッと報道しなくなってしまいます さらに戦争に注目するけれども その戦争も結局一年以上続いていると それがガザの日常になってしまって 日常になってしまったものは このジェノサイドが今日もまだ続いている
46:04 明日もまだ続いているということ自体が 凄まじい暴力であるにもかかわらず 報道しなくなるんですね これも文化的暴力ですね そして一度停戦すれば忘却されてしまう 次の虐殺が起きるまで この全てが文化的な暴力ということになります ですからその結果 私たち市民も好むと好まざるとにかかわらず ガザで起きている事態が 21世紀のホロコーストと呼んでも過言ではない状況である にもかかわらず そのことを知らない 知らないがゆえに関心を持たない
46:51 そして本来 自分たちがこの出来事にどのように関わっているのか ということも知らず 無関心なまま行動を起こさない それによってこの事態を支えている私たちもまた 私たちの意思にかかわらず この文化的暴力の行使者 加害者になって、させられてしまっている ということになります 今日 この466日間に渡ってガザで起きていることの その詳細をそのことごとくをですね 詳しくお話しする時間はありません でもそれはジェノサイド条約が定義するところの 紛れもない大量殺害、ジェノサイドであり
47:37 そしてイスラエルはこの国際法に反して ガザの人たちを拉致してイスラエルに連れて行き そこで拷問虐待を行っており 分かっているだけで50人以上が殺されている その中にはガザの専門医3名も含まれています さらに餓えを戦争の武器として利用し 住宅も大量破壊していると そして医療システムも組織的に破壊し 戦争は最大の環境破壊と言われますけれども 農地を破壊し さらにそれによって パレスチナ人がガザで自給して生きていくような そうしたことを不可能にし さらにその攻撃によって有害な二酸化炭素をはじめ
48:26 有害な物資というものが大量に大気にばらまかれます あるいは土壌を汚染します 地下水を汚染します そうすることによってこれことごとくですね 停戦になったとしても ガザのパレスチナ人がガザで引き続きそこで生活していく ということ自体を不可能なものにしているわけです 今日読んだ記事にチェルノブイリゼーションと書かれていました イスラエルが行っているのはガザのチェルノブイリ化であると 旧ソ連邦のチェルノブイリ原発事故によって 放射能でそこに住むということが できなくなってしまったわけですね 放射能ではないけれども こうしたことごとく家を大量破壊し
49:11 この瓦礫を片付けるだけでも 何十年かかるとも言われています 医療システムも破壊されてしまっているので けが人や病気の人たちというのは 引き続きガザにいても助かりません そしてガザでパレスチナ人が生きていくこと それ自体をその環境を破壊しているという まさにチェルノブイリ化を行っている さらに教育も破壊しそして大学も全て破壊されました 大学という施設を破壊するだけでなく 大学教授たち知識人が狙い撃ちされています 狙い撃ちというのスナイパーが狙撃して その人だけを殺すのではなくて AIでその人がいる居場所を特定して その人がいる建物にミサイルを打ち込みます
49:58 これは軍事専門家が 住宅に200ポンド爆弾ですか? そんなものを使うなんていうのは考えられないというような その不釣り合いな破壊兵器でもって ですから 自分及びその周りにいた家族とか 隣人たちも10名20名巻き添えにして殺されることになります 知識人がこれは100人以上 大学教授と知識人が殺されていて だからガザ地区を言ってみれば 導く先進的な指導者を抹殺している 船頭のない船にしようとしているんです さらに完全封鎖されていて 外のジャーナリストはガザに入ることができません
50:46 ガザで起きている出来事というのは ガザのパレスチナ人のジャーナリストたちが 日々外の世界に向かって伝えているんですが このジャーナリストたちも今言ったようなやり方で標的にされて すでに220人以上が殺されています それでもなお彼らはとどまってガザで起きていること イスラエルの戦争犯罪というのを外の世界に向かって報じています もう一つ強調したいのは文化の虐殺です ガザ地区というのは これも全然日本では報じられないんですけれども ガザ地区の最大最古の都市ガザシティと言います 4000年の歴史があるんです 地中海を舞台にしてもう4000年の
51:32 ですから ギリシャ、ローマ以前からですね そしてギリシャ、ローマ ヘレニズムがあって アラブビザンツ世界になってそして アラブイスラムに征服されて 十字軍が来てオスマン帝国になってというような その世界の諸文明の歴史が紡がれていたのが ガザ地区なんです だから4000年以上に渡る遺跡であるとか 遺物であるとかそういったものがある それをイスラエルは破壊しています これはガザで 最大最古のモスク 大オマリーモスクと言いますが ローマの神殿跡に作られた教会が
52:18 後にモスクになったというもので 今日まで礼拝に使われていた それも これ狙い撃ちだったっていうこと分かりますか? 後ろの部分の民家は無傷ですね だから無差別爆撃の巻き添えになったのではなくて 明らかにこのモスクを狙い撃ちしています それ以外にも 様々なこうした古代から続く古代中世から続く 世界最古の教会だとかモスクだとか修道院って そういったもの世界遺産レベルですよね そういったものが200以上狙い撃ちされ破壊されています 昨年の11月から12月にかけて
53:05 イスラエルは レバノンやシリア、イエメンなども爆撃していますが レバノンに関してはバールベックをはじめとする古代遺跡や 中世の遺跡を破壊しているんです イスラム国がもう十年以上前になりますけれども シリアのパルミラというローマ時代の遺跡を破壊した時 世界のメディア、日本のメディアは こうした世界の文化遺産の歴史的価値も分からない 野蛮な連中だというような形で 大々的に報じて非難しました ではイスラエルが今同じことを あるいはそれ以上の規模でやっています レバノンのそうした歴史遺産、文化遺産 世界遺産を破壊している
53:53 全然報道されない 非難もされないですよね ロシアのウクライナ主権侵害 侵略というものは大々的に非難していますけれども ではイスラエルがアサド政権崩壊の期に乗じて シリアを侵略して占領している これは同じことをやっているのに 同じような強度で報じられもしないし 非難されもしません 完全な二重基準です 昨年の春、この女性は スーザンアブルハワーさんとおっしゃって パレスチナ系アメリカ人の作家、英語作家です 彼女が二度にわたりガザ地区に入りました その様子をあのデモクラシーナウという
54:38 インディペンデントのアメリカのメディアで語っています 封鎖されたガザ地区というのは長らく 世界最大の野外監獄という風に呼ばれていましたが でも監獄ってそもそも罪を犯した人が入るわけですよね ガザのパレスチナ人は一体何の罪を犯したんでしょうか? むしろ強制収容所と言った方が近い だけれども もうガザは私たちが通常使う語彙を超えています 強制収容所という言葉でも足りない だから絶滅収容所ですよね イスラエルがガザで躍起になって推し進めていることの一つは パレスチナ人がこの地で生きてきた痕跡を消し去ることです
55:25 イスラエルは信仰の場や古代の教会 古代のモスクなどを標的にしています 博物館や文化センター図書館もです パレスチナ人がこの地で生きてきた記録や この土地に根ざしていることを示すものや 痕跡がある場所を ことごとく意図的に抹消しているのです これはこれまでも常にそうであったように パレスチナ人を追放し その居場所を奪い パレスチナ人の存在を地図の上から 消し去るためのものだと 1948年以前にしても今回にしても それこそがイスラエルが公然と掲げる目標であることは 命名白白です
56:12 実際にイスラエルの閣僚たちはこれを明言しているんです 民族浄化するんだ ことごとく追い出すんだっていうことを明言しています 私たちパレスチナ人を破壊し排除し殺し 私たちの居場所を奪うことが彼らの目的であり それが今まさにガザで起きていることです それが1948年に起きたことであり 1948年というのはイスラエルが建国された年のことです パレスチナ人 そこに住まっていたパレスチナ人の 4分の3にあたる75万人を 家から故郷から暴力的に追放し民族浄化し そこにユダヤ人国家を建設しました
57:00 それが1948年に起きたことであり1967年 これは西岸やガザ地区が軍事占領された年です 起きたことであり 新たなナクバ これは破局という意味のアラビア語なんですけれども この1948年に民族浄化されて パレスチナ人が75万人難民となってしまった この故国喪失の出来事を アラビア語で体冠詞をつけてザ・ナクバと言います great catastrophe 破局的大惨事という意味です しかし ホロコーストのように それは80年近く前に一度起きて終わってしまった 出来事ではなくって パレスチナ人はこの77年以上の間
57:47 ずっと起源のナクバの暴力がずっと続いてきたわけですね 形を変えて続いてきた それを生きている 新たなナクバが起こるたびに それはそれまでのナクバを凌駕するものになり そしてとうとう 大量殺りくとホロコーストの瞬間を迎えることになってしまった 世界がイスラエルの蛮行を処罰することなく 許してきたがためにです 先ほど封鎖されたガザに対して 2008年2009年最初に攻撃が起きた それから繰り返し攻撃が起きているということをご紹介しました 最初の攻撃の時ですね
58:32 国連は調査団を組織してガザに入った その調査団がハマース、イスラエルの双方に 戦争犯罪があったけれども でもイスラエルの戦争犯罪の方が圧倒的に多い という報告書を出しました しかしそれが国連の人権理事会だとか それから安保理ですねにかけられても とりわけ国連で強制力を持っているのは安保理だけです そこでイスラエルに対する非難決議であるとか 処罰の決議という それらが図られても結局アメリカが反対しますので 安保理というのは15か国から成り立っています
59:18 そのうちの5か国が第二次世界大戦の戦勝国である アメリカ ロシア イギリス フランス 中国が 常任理事国となっていて 全会一致で賛成でないと決議は通らないんですね ですから棄権だったらそれはカウントされませんが 常任理事国のうちの一つでも 反対したらそれは通らない で、アメリカが反対していますので 結局イスラエルが行った戦争犯罪は処罰されない 非難もされない 処罰されないという形でずっと来たわけです ですからイスラエル不処罰という国際社会の この不名誉な伝統というものが イスラエルを法外な法の外の存在にし
1:00:07 それによってパレスチナ人に対して法外な暴力を イスラエルが繰り返し行使することを可能にし それがとうとう今 このような 21世紀のホロコーストにまで至ってしまった ということになります 右側の女性はゴルダ・メイールというイスラエル第5代の首相です 彼女の言葉「パレスチナ人などというものは存在しない」 これはどういうことかと言うと いるのはアラブ人だとそして アラブ人なんだからアラブの国はいっぱいある そこに行けばいいじゃないか パレスチナに対して自分たちはここに主権を持った パレスチナの独立国家を作る 自分たちのそういう国を持つ権利があるのだ
1:00:54 というようなことを主張する そういう資格のある歴史的な存在 民族としてのパレスチナ人などというものは存在しない という意味です そしてまさに今起きていることというのは 彼らが4000年以上に渡って この土地に根差して生きてきたその歴史的な記憶 その痕跡をことごとく物理的に破壊して ガザを歴史の真空状態 そうした記憶の真空状態にして ガザのパレスチナ人を歴史のない存在にしようとしている ということになります メディアは出来事が 一体なぜ起きているのかというその歴史的な背景を説明しません
1:01:42 説明するとすれば 紀元前10世紀にここにユダヤの王国があって それが滅ぼされて 2000年前にパレスチナからユダヤ人が追放されて これは大嘘です そんな歴史的事実はありません 世界中に離散してずっと迫害されてきて それはヨーロッパキリスト教社会の話です 中東イスラム世界は共生が原則でした その者たちが2000年の悲願 パレスチナに戻ってそこにユダ人の国を再建するという 2000年の悲願を実現したのがイスラエルだという これはシオニズムのナラティブです イスラエルのナショナルイデオロギーである まさにシオニズムのナラティブに則ったかぎ括弧付きの歴史を
1:02:32 その敬虔なユダヤ教徒たちはそれを否定している それはユダヤ教自体の否定に他ならない シオニストのユダヤ人というのは これはユダヤ教を否定しているんだから もはやユダヤ人ではないと言って シオニズムを否定している それをユダヤ人の歴史だと言って語っている ではなんでこの出来事が起きているのか 詳しくお話しする時間がありませんので ポイントだけご説明しますと 先ほど申し上げたように ユダヤ国家を標榜するイスラエルというのは このパレスチナを民族浄化するという この時は集団虐殺も 後にイスラエルとなるパレスチナの各地で起こりました
1:03:18 レイプもありました ハマースがこんなことやった あんなことやった中で言われている集団レイプで レイプした女性を切り刻んだ まさにそれはナクバの時に シオニストの兵士たちが行ったことです そういう暴力の上に建国された 入植者による植民地主義国家だと 普通の… というか日本は朝鮮を植民地支配しましたね 台湾もそうです イギリスは例えばインドを植民地支配しました こういう通常の植民地主義というのは 植民地支配している国のその領土を 土地それから資源と並んで そこにいる人間たちも収奪搾取の対象です
1:04:05 例えば労働力としてとかあるいは戦争になったら 日本もそうですね 兵士として動員するとか 人間もその植民地支配による収奪の対象です しかし入植者植民地主義というのは 例えばアメリカ カナダ オーストラリア ニュージーランド あるいはアパルトヘイトの頃の 南アフリカの白人共和国 外からやってきた植民者が そもそもその土地にいる住んでいる者たちを駆逐して 彼らにとって変わって その土地を自分たちの国にしてしまうというものです これだから満州国もそうですね それからアイヌモシリも典型的な入植者植民地主義です 難民となったパレスチナ人
1:04:51 彼らがイスラエルとなってしまったところにある 自分たちの故郷に帰るというのは これは基本的人権であると同時に パレスチナ人の民族的権利であるということを 国際社会が認めているにもかかわらず イスラエルが彼らの帰還を認めない そして安保理決議違反の違法な占領 さらには 国際法違反の封鎖というものをずっと継続している でもこの占領下で封鎖下でパレスチナ人というのは 自由も基本的人権もそして自己決定権も否定されている さらにイスラエルはヨルダン側から地中海まで ユダヤ人至上主義のアパルトヘイト体制を敷いているんだ
1:05:36 ということ これはアムネスティ・インターナショナルや ヒューマンライツウォッチといった国際人権NGOですね などがそのように語っている だからイスラエルはこのアパルトヘイトをやめなければいけない 世界の国々はイスラエルに このアパルトヘイトをやめさせなければいけないということを アムネスティの代表が訴えています ナクバ、破局的大惨事ですがまず19世紀の末に ヨーロッパのユダヤ人の間で パレスチナにユダヤ人国家を建設するという 政治的なプロジェクトが誕生し 入植が始まるわけですね そしてヨーロッパにおける反ユダヤ主義と そして大英帝国の植民地主義を味方にして 彼らは入植を推進します
1:06:22 反ユダヤ主義というのはシオニズムの あるいはイスラエルの敵ではなく味方なんです どういうことかといえば ヨーロッパにおけるクリスチャンの 反ユダヤ主義者というのは 例えばイギリスはイギリス人のものだ そしてイギリス人のユダヤ教徒というのは 自分をイギリス人だと思っているかもしれないけれども 彼らは中東に起源を持つセム人種なんだという形で 彼らが平等なイギリス人である あるいはドイツ人であるとか フランス人であるということを否定しています そしてシオニストというのもそうだと 我々は中東に起源を持っているユダヤ人なのだから このパレスチナに自分たちの国を持つ権利があるのだ という
1:07:07 ロジックは全く同じです だからシオニズムにとっての本当の敵というのは ユダヤ教徒そしてキリスト教徒の解放論者です 解放論者って何か?って言ったら 近代になるまで ヨーロッパではユダヤ人っていうのは ここにしか住んじゃいけないという形で居住地を制限され あるいは就労も制限されていました フランス革命以降、人権宣言があって ユダヤ人解放令でユダヤ教徒であろうと 平等な同じ市民なんだということになる ですから そうだ、我々はクリスチャンのフランス人 クリスチャンのドイツ人 クリスチャンのイギリス人と同じ ドイツ人フランス人イギリス人なんだと考えるユダヤ教徒や キリスト教徒をですね
1:07:54 彼らこそが敵だということになります そして第二次世界大戦後 西洋諸国はこの歴史的な反ユダヤ主義と そしてナチスドイツによる ホロコーストの結果 帰るところも行くところもなく 25万人のユダヤ人がヨーロッパで難民となっていた このユダヤ人難民問題をどうやって解決するのか それがドイツを占領していた戦勝国、連合国にとって 最大の課題の一つだった それをこのシオニズムに乗っかる形でパレスチナを分割して でもパレスチナ人に何にもそうした歴史に このホロコーストにも責任はないわけですよね
1:08:41 そのパレスチナ人に土地を分割して そこにヨーロッパのユダヤ人の国を作るというような 明らかに政治的な不正の形で つまり歴史的なヨーロッパの犯罪のツケを パレスチナ人に支払わせる形でこの問題の解決 あるいはホロコーストに対する贖いを図った ということになります こうして77年前 故郷を追われた者たちは難民となるわけですが それが75年後の2023年 あの時は75万人です 今は200万人がガザの中で
1:09:28 同じ状況に置かれているんですね この講演のタイトルに 歴史の忘却に抗してと名付けました ハマースのテロに対する自衛の戦争という風に語られる あるいは語ってしまう これ自体が日本の自分たちの国 及び世界の歴史の忘却 あるいはその否定の上に成り立っています どういうことかと言えば ではアメリカの独立宣言って一体何なんでしょうか? 人は皆平等なんだと 人間には圧制に対して抵抗する権利があるんだ イギリス本国に対して植民地の植民者たちですね
1:10:18 入植者植民地主義ですけれども 彼らはまさに武装勢力となって 抵抗して独立を勝ち取った フランスの植民地だった アルジェリアの独立もそうですね ですからそれが国際法の中で 武装闘争も含めた抵抗する権利抵抗権としてあるわけです そして日本が植民地支配していた台湾では 先住民による入植者日本人の民間人虐殺 霧社事件がありました あるいは満州では反満抗日ゲリラによる 撫順炭鉱襲撃事件があり これでも民間人が殺されました そのいずれに対しても 日本はイスラエルと同じようにこうした先住民とか
1:11:07 あるいはその反満抗日ゲリラを まさに今でいうところのテロリストとして それに対する殲滅の暴力で答えているんです でもなぜこのような虐殺事件が起きたのかといえば そもそも植民地支配があったからです 日本の台湾植民地支配がなければ霧社事件も起こらないし 満州建国がなければ撫順炭鉱襲撃事件もない 同じようにイスラエルによる封鎖や占領 もっと言えば 民族浄化によるこうしたユダヤ人国家 アパルトヘイトがなければ そもそも10月7日の出来事は起こらないし もっと言えばハマースも存在しないんです
1:11:57 ですから重要なのは日本自身が行ったこの植民地支配や そして占領の暴力 そういったものをむしろ私たち自身が 忘れているということ それをしっかりと私たちが記憶していたならば その10月7日の出来事というのは ここに書いたように 年が明けたので76年ではなく77年に及ぶ難民化や故国喪失 60年近くに及ぶ占領、16年以上に渡る封鎖の中で こうした自由と人権と尊厳 自己決定権のない生 そしてガザの人たち封鎖のもとで生きるというのは 生きながらの死だと言っています
1:12:44 10年前からガザで自殺を最大の禁忌としている イスラム社会のガザで自殺が増えているんです とりわけ若者たちによって にもかかわらず 国際社会は何もしてこなかった 何もしないことによって彼らを関心の埒外に 打ち捨てることによって この現状を肯定しこの占領封鎖に 私たちは共犯してきたわけですね 最後にこの言葉をご紹介したいと思います 地獄に居るのは誰か 中世のイスラム神秘主義の思想家に ハッラージュという人がいるんですけれども 彼の言葉です 「地獄というのは人がそこで苦しんでいるところではない」と
1:13:33 その本当の地獄というのは人が苦しんでいるのを 誰も見ようとも聞こうともしない そういうところのことだということです どうもご清聴ありがとうございました 岡真理さんありがとうございました それでは第一部はこれで終わらせていただきまして 引き続きまして第二部の準備に入りたいと思います 会場の設定をしますのでしばらくお待ちください
1:18:24 久松:それではシンポジウムを開催したいと思います 非常に心をえぐられるような お話を伺いましてそして私事ですけど 本当にこの無知 自分の無知というものに気づかされました ガザの問題ガザの現状ですね これがいかにひどいかということが 今日ありありとこの目に浮かぶ形で お話をしてくださったことに関して 感謝の言葉、感謝の気持ちを表したいと思います それではまず率直に伺います 入澤さんは今日のお話を聞かれて まずどのような感想をお持ちになったでしょうか? 入澤:もっと多くの学生さんに聞いて欲しかったなという
1:19:16 これが率直な思いです 岡さんの話を聞いて 改めて今のガザの問題というのはガザだけの問題なのか? パレスチナ人だけの問題なのか? イスラエルだけの問題なのか? 私はこれは現代社会の問題 世界の問題 ですからガザで起きていること これを無視するあるいは無関心であり続ける というようなことを これは犯罪に加担しているに等しいんだという そういう強い思いを持ったところです 以上です 久松:視点の転換というものを私は今日は
1:20:03 体験したと言ったらいいかもしれません 私はごく普通の日本人と同じように ハマースとイスラエルの紛争に関するメディアの表現は ハマースのイスラエルへの先制攻撃に対する イスラエル側の報復という形での大義というものを 強調しているということですから どっちもどっちという そういう在る意味無知の上に立った中立 これが実は一番問題 問題の根源にあるのではないかということです やはりその前に すでに長い間イスラエルによってガザが
1:20:52 天井のない牢獄という形で 迫害みたいなことを受けていたことに対する一つの抵抗 という形でハマースが出たんだというのを今日は お話を聞いて知ったわけなんですけども その辺の歴史について もし今日もう少しお話が できることがあればお話ししていただけませんか 岡:準備してきたんですが (第一部では)紹介する機会がなかったので ありがとうございます どこから行こうかな? 第二次インティファーダの時 イスラエル領内にパレスチナの青年たちが
1:21:38 ダイナマイトを巻き付けて入って いわゆる自爆テロとかを行っていましたよね それに対してイスラエルが報復をして やはりあの時も日本のメディアの報道というのは テロと報復の連鎖が続く イスラエル、パレスチナでとか あるいは暴力の悪循環が続くイスラエル、パレスチナ それが枕詞になっていた でもその時のテロというのは パレスチナ人が行う攻撃のことで イスラエルは常にそれに対する報復と位置づけられる でもなぜ? じゃあそれが市街地であるいはバスの中でレストランで ダイナマイト自爆する テロですよね じゃあなぜパレスチナ人はテロを行うのか? それは占領があるからというそこを報じない
1:22:26 ある新聞でですね なんでパレスチナ人は自爆テロを行うのですか? という質問に対して新聞社の人の答えが イスラームでは まずパレスチナ人はこのテロ攻撃を聖戦だと考えていて ジハード=聖戦だと考えていて 聖戦で死ぬと天国に行って何十人もの 乙女に囲まれるということを信じているからです みたいなそういう回答なんですね 占領されてるっていうことも さらっと言ってるんだけど 詳細には踏み込まないんですね
1:23:12 この写真はハマースです 皆さんご存知でしょうか? ハマースのことを日本のメディアは ガザを実行支配しているイスラム原理主義組織ハマスがとか イスラム組織ハマスがと 必ずイスラム(が付いている)です レバノンのヒズボッラを紹介する時も レバノンのイスラムシーア派組織ヒズボッラが、という でもハマースって何か?と言ったら 要するに イスラエルにパレスチナが占領されている その占領からパレスチナを解放するための抵抗組織として 作られたわけですで ヒズボッラもイスラエルはレバノンを占領しています まだ一部占領している その占領から解放するための組織として作られた
1:23:59 だからまず定義するとしたら そのイスラエルの占領から 自分たちの土地を解放するための解放組織だと あるいは抵抗 解放抵抗組織だ、民族解放組織だというのが まずもっての定義だと思います それを言わずにいきなりイスラム組織という風に言うんですね だから 例えば公明党を仏教組織っていうのと同じことです 仏教かもしれないけれども まず日本の政党の一つでというのがあって初めて じゃあそれが何にどういう思想に基づいているかが 来るわけです それを言わないで あたかも何かイスラエルを攻撃するのが
1:24:44 イスラームに基づいているかのような そういう意思の情報操作を行っています これは2006年パレスチナの立法評議会選挙で ハマースが勝利したんですね 要するに 13年間ファタハに自治政府任せていたけれども イスラエル占領の手先になってしまっていると ファタハが自治政府になっている限り 自分たちは独立なんてできない じゃあハマースにやらせてみようかということで この選挙はEUの監視団も近代稀に見る 民主的な選挙だったとお墨付きを与える それで勝利した しかもファタハのメンバーまで閣僚に加えて 統一政府を作ってこれを認めてくれたら 自分たちはこれまでオスロ合意に反対してきたけれども
1:25:31 ガザと西岸に主権を持った 独立国家を作って イスラエルとの長期にわたる休戦条約を結ぶ準備があるとまで アメリカに対して提案したのに これはイスラエルの新聞に載ってることです このことに対して アメリカの回答というのはガザ地区で 勝利したハマースに権力移譲を拒んでいたファタハの幹部に 兵站を提供してクーデターを起こさせます 要するにチリに対してやったのと同じことを画策する アジェンデ政権に対してやったのと しかし その思惑に反して チリではピノチェット将軍が勝利するわけですが アメリカやイスラエルの思惑に反してハマースが勝利した そもそも選挙に勝ったのはハマースである
1:26:19 それをアメリカやイスラエルが認めないで そして自分たちがテロ組織だと考えているハマースを パレスチナ人が自分たちの代表に選んだということで 集団懲罰として 国際法違反のガザの完全封鎖を始めたということになります 封鎖の下で繰り返す爆撃にさらされながら 生きながらの死というものを強いられている中にもかかわらず しかも世界が全く応答しない中で ナクバから70年目のこれは2018年ガザは超党派で 帰還大行進と銘打ってイスラエルの境界付近まで
1:27:04 毎週金曜日に非暴力のデモを行うんですけれども 帰還の実現、封鎖の解除と掲げてです ところがそれに対して イスラエル軍はフェンスのこちら側(写真手前)から発砲して とりわけ若者の足が狙われます 国際法で非人道兵器に認定されている 例えばバタフライバレットという (通常)弾丸は回転しながら空中を飛んでいきますが 着弾の衝撃でこのように弾頭が割れて ナイフの刃が何枚も出て それが回転しながら骨を貫通し 周りの血管や神経をずたずたにするので
1:27:52 足を切断するしかないというような 1年と9か月続くんですけれども あの200人以上が殺されて さらに医療従事者も殺されています 1万人近くが負傷するというそういう状況の中で ずっと非暴力で訴え続けてきた にもかかわらず国際社会は報じないで 自殺が増えてるっていうことを申し上げましたよね 宗教的に最大の禁忌ですから 外聞が悪いので 彼らは事故と転落死とかいう形が多いんですけれども
1:28:40 中には通りで火をつけて死ぬ人もいます これはあのムハンマド・ブアズィズィという チュニジアの青年で 貧しい青年で2010年の12月に 社会の不正に抗議して焼身自殺をしたところ それがわっと広がって チュニジアのジャスミン革命になり あの独裁者を追放しさらにはそれがエジプトに 波及して独裁者ムバーラクも退陣に追い込み だから 自分もムハンマド・ブアズィズィ青年に倣って しかも彼は亡くなった後のヨーロッパで 彼の名前を冠した公園が作られたり銅像ができたりと
1:29:26 だから自分も彼と同じような死に方をしたら 国際社会が注目してくれて この生きながらの死の封鎖を何とかしてくれるんじゃないかって そういう思いで死んでいってもずっと何もなかった その中でこの・・・ 私たちの忘却と無関心と無作為が このジェノサイドへの道を整えてきてしまったんだな という風にも思わざるを得ないです 久松:入澤さんに質問です。学長として 2023年の10月12日に 大学として『ハマスーイスラエルの紛争に対する声明』という 大学としての この問題に対する公式見解というものを発表されましたが
1:30:14 そこには引用しますと 「今人類に必要なのは強い「非戦」の覚悟です。」 「殺戮と破壊を繰り返す戦争に何の意味があるのでしょう」 「ただ死者の数だけがカウントされる戦争に 何の意味があるのでしょう」 「戦争は途方もない悲しみを残すだけです」という 大変印象的な言葉を発しておられますが そもそも大学としてそういうまステートメントを出す というのはあんまり聞いたことがないんですけども どういう思いで出されたのか お聞かせ願えればと思います 入澤:これは今日、岡さんのお話にもあったように イスラエルがガザに対して パレスチナ人に対して攻撃するということがあったわけですね
1:31:00 そして今回ああまたかっていう思いがありました けども 今回のジェノサイドはあまりにも規模が大きすぎて これまでにないあり方を示している ここで声を上げないで いつ声あげるんだっていう思いが強くありました けども その声明を出してそれでおしまいではなくて もっと私たちは声を上げる必要があるだろう という風に思います 今回のことっていうのは2023年10月7日の ハマースが攻撃をした 要するにこれがテロだということで テロとレッテルを貼られると
1:31:46 そちらが悪だっていうような形になるんですよね 2001年の9.11がありましたね でそれに対してアメリカが ウサマビンラディンがいるアフガンに対して 攻撃をしました あの時のアメリカの大統領が 世界に向けて我々につくのか? それともテロリストの側につくのかっていうことを言いました 私はその時からテロという言葉 テロと言ったら世界中がそれを悪だと決めつけて そして
1:32:31 決めつけた側の方がいつの間にか正義になって それに同調するというような 私は歴史的な流れというものが出てきたかな という風に思うんですね 私は2004年からアフガニスタンに行って 考古調査をやっていましたけども 行けばのアフガンの現実 というものに直面をするわけです ISAPHが自爆テロが起こらないようにというので 一番繁華街のところでずっと監視しているんですよね そのアフガンがアメリカ軍によって空爆された後に 多くの市民が死んでるわけですよ
1:33:18 私はその現実を見た時に ん?アフガンにいる人たち全員テロリストなのか?って そしてこの世の中に テロリストとして生まれてきた者というのはいるのか? テロリストという風に抑圧された人が 何も表現手段がなくって攻撃をせざるを得ない というような状況もある それから私はアフガンに行って思い知らされたのは 電柱のところに いろんな張り紙が壁なんかにもあるんですけれども そこに3000ドルやるから テロをやらないかっていうのがあるんですよね
1:34:04 心優しいお父さんは貧困だこれからの将来が非常に心配だ 子供たちのためにお金を残してやろうっていう そういう優しいお父さんがテロリストになっちゃう そういう現実もあるわけです けれども そういうようなことは一切報道されません 2005年に私がアフガニスタンの考古調査をして 龍谷講座というのがこの深草キャンパスであって 私は話をさせていただいたんですけれども 新たな発見もあったもんですから 非常に多くの方が集まってくれました でも一番最後にですね 私があえてテロリストの側に立って考える
1:34:51 っていうことを一言、言ったんですよ そしたらものすごい非難轟々 講演が終わった後 お前はテロを支援するのかとかですね テロの味方かっていうようなものすごい非難を受けました でも私が言いたかったのは そうしたテロリストを生む土壌というもの これを世界がしっかりと 考えなきゃいけないんじゃないかっていう そういう問題提起をしたわけです で今日のお話にもありました通り イスラム国が生まれてきたっていうのも あれもアメリカがイラクを攻撃して
1:35:36 そこから生まれてきているっていう ですから短絡的に 今回はハマースがテロだということで テロリストを攻撃的してどこが悪いんだ つまりイスラエルがいつの間にか 国際社会でも正義の側に立って そしてそれをアメリカが支援するというような そしていつの間にか 我々日本人もテロに対しての攻撃ということであるならば それを容認してもいいんじゃないかっていうことが 漠然とこう空気として湧き上がっている 私が今回岡先生をお招きしてこの講演会
1:36:23 それに対してもものすごい非難を受けました というのはイスラエルを非難して そしてパレスチナよりの考えを示すというようなこと それは中立ではないではないかと だから先ほど先生が言われた 私たちが歴史的な文脈というものを無視して 中立的な意見を表明するというようなこと これは私は 今そこが一番私は問われているんではないかな という風に強く思っています ですから私たちはやはり歴史的な文脈と いうものをしっかり学ぶ必要がある だからこそ教育の現場
1:37:11 教育っていうのが非常に大切だろうという そういう思いを非常に強くしています 久松:いわゆる文化的暴力ですね この問題が根深いからこそ教育というものの重要さというのは ひと際、強調されるべきであるという風に思っています 具体的なことで 歴史的なことをもう一つお伺いしたいんですが 岡さんがおっしゃいましたように 1947年ですね 国連がパレスチナを分割してイスラエル共和国を 樹立を正式に認めたことですとおっしゃいましたけど あれはホロコーストから逃れた25万人ですよね 25万人のユダヤ人が難民化して ヨーロッパに滞在 残っていては困るからということで
1:37:58 国を作ってそっちに帰らせるという そのような形でいったんでしょうか 岡:絶滅収容所を生き延びた者もいますし 隠れてた人たちもいると思うんですが 例えばポーランドの自分の村に帰って虐殺された人もいます ホロコーストを生き延びたのに収容所を生き延びたのに 自分の故郷に帰ってそこで 故郷に帰ったら家も土地も奪われてる しかもなんで帰ってきたんだという形で集団虐殺が起きていて 例えばイタリア人の作家のプリモ・レービィは 自身の故郷の街にトリノだったかな、に帰って 彼も自ら命を絶ちますが
1:38:45 そこにずっと暮らしましたが でもそれ以外のところではまず故郷に帰れない 帰ってもそういう状況で しかも彼らの親族はアメリカに渡っていました すでに でもアメリカはその当時新規移民を受け入れていなかった 行くところがない25万人どうするんだって そこでパレスチナ だからすでにイギリスが 国際連盟による移民統治という名のもとに行っていた その植民地支配を その当時は イギリスはバルフォア宣言を実現するために どんどんヨーロッパのユダヤ人シオニストの入植を 進めていたんだけれども
1:39:32 当然パレスチナ人はそれに反対します そして反乱が起きて その反乱を収束させるためにじゃあユダヤ人移民は 新規移民は受け入れないとか言っていた これに対してシオニストたちがテロを行っていました なのでそういう状況のあるパレスチナに じゃあとにかくここに作ればいいじゃないか という形で作ってしまった 久松:問題解決のひとつ、今現在の 問題解決の柱になっているのは やっぱりアメリカがどういう風に政策を 進めるかということではないかと思うんですが アメリカそれから今言ったヨーロッパに残っている人たちを なんとかホロコーストを生き延びた人たちを
1:40:19 そちらの方に住まわせたということであればですね それはヨーロッパの諸国の責任というかなというのも 追求されるべきであるという風に思っているんですが どうですか 岡:まず歴史的には キリスト教ヨーロッパ社会というものが 責任があります それだけでなく このパレスチナの分割というのは 国連総会で可決されているわけですから その時にソ連も賛成してるんですね ソ連はあの当時まだ植民地になっていた国々 ほとんど独立もしていないですし そういう米ソの アメリカとソ連の多数派工作によって そこで賛成票を投じた者たちもいる だからまず国際連合が責任があります
1:41:06 それから国連自ら以後80年経っても問題解決しないどころか 新たなホロコーストが80年後に起きるような その紛争の種を自ら蒔いたわけですので 国際社会自体が この問題に対して責任があると言っていいと思います 久松:はい、キリスト教のお話が出ました 私はキリスト教に属していますけど 日本のカトリックの中枢機関である 日本カトリック司教協議会というのがありまして 2023年11月29日に イスラエルの即―ハマスの即時停戦を求めます という声明文を発表しましたが そこには イスラエルとハマスの即時停戦はもちろんですけど それと共に引用しますが 「パレスチナの人々に民族自決の不可侵の権利が認められ
1:41:53 人や物資の移動の制限 度重なる軍事攻撃、強制追放などといった イスラエル建国以来75年にわたる イスラエルのパレスチナに対する 植民地主義的な政策に終止符が打たれることを要求する」と はっきりと表明されているんですね そこで入澤さんにお伺いしたいのは 例えば仏教界ですね浄土真宗でもいいですけど 仏教界ではこの問題に対して 何か公式な見解みたいなものっていうのがあるんでしょうか 入澤:宗派によっては声明が出てるところは もちろんあります でも具体的な行動っていうところに関しては 私は非常にまだ弱いかなという風に思います
1:42:39 でこれも私に対する非難があったんですけれども 罪悪深重の凡夫であるということを自覚するというのが 浄土真宗だろうと にもかかわらずイスラエルを非難するとは何事かみたいなね そういうレベルの話っていうのが 日本では非常に多いですね 今日はいのちを考える平和を考えるという サブテーマがありますけれども 本当に人として人の命っていうことを それから尊厳ということ これはやはり日本の宗教界がもっと真剣に考えて 世界に私は発信していくべきだろうという風に強く思っています
1:43:28 一つ私は これまであまり言われてないかもしれないんですけども 私たちが自然に西欧社会の文脈に 乗っかってしまっている 無意識のうちに 例えば中東っていうのはいつも問題を起こすとかってですね 中東という言葉自体これなぜ中東なのかですね 日本は極東ですよね ですからヨーロッパ社会西欧社会から見て 中ぐらいの距離にある東、中東ですよね だから近東っていうのもあったわけですよね これはおそらく北アフリカ(やトルコ)の方ですかね 歴史的に
1:44:15 そうした地理的な認識っていうのも 実は西欧社会が作り上げたもので 特に軍事的な用語が そのまま地理的な用語に使われるっていう 例えば東南アジアと 私たちは当たり前のように言いますけれども あれも戦時中に使われた軍事用語だったわけですよね だから私たちが知らず知らずのうちに使っている言葉 概念というものそれが 私たちに刷り込まれてしまっている だからいくらその日本で 和を以て貴しとなすということを 聖徳太子が言ったそれを西欧社会に伝えても
1:45:01 聞く耳を持ってもらえない これは実際ある経済界のトップの方と話をしている時に 聞いた話なんですけども 経済界の人が首相が海外に行く Gセブンなんかで 経済界の人も行くわけですね その時に日本人が日本という国には 和を以て貴しとなすという発想があるんだということを 他の国の人たちに言ったら笑われたって言うんですよね だからそれが現実 じゃあなぜそういうことが伝わらないのかというと やはり私たちがこれまで当たり前のように
1:45:48 概念化してきている言葉を使って そうした言葉遣いをしているっていう西洋的な文脈に乗っかって そういうことを言っても 彼らにしてみれば西欧社会の欧米社会の人にしてみれば お前何言ってんの?っていうことになってしまうと 私は岡先生が言うように 問題の本質っていうのはどこにあるのかっていう 人間の尊厳、人間の命っていうような そのレベルで共通認識を持ってもらう そういう構造というものを作り出していかなければ 私はなかなか和を構築する ということには結びつかないのではないか という風に思っています 久松:たまたまなんでしょうけど 結局イスラームとそれからユダヤ教との戦い
1:46:36 疑似戦いって言ったらいいかもしれませんけども そういう構造になっていますね 一神教のですね 非寛容さというのがものに出ているようなそういう印象が ありますが岡さんはですね 宗教の影響ってどれほど大きいんでしょうか? 岡:まずこれはイスラムとユダヤの対立でも戦いでも全くないです あたかも そのようなものであるかのように語られたりしますけれども イスラエルという国は自らをユダヤ人国家と名乗っていますが でもそもそもその伝統的なユダヤ教の教えを否定するところで 作られている国なんですね
1:47:22 むしろユダヤ教 つまりユダヤ教もイスラームもキリスト教もそうですけど どちらも同じ神を それはアラビア語でアッラーと言いますが アッラーって別にイスラームの神ではなくって ユダヤ教のヘブライ語でヤハウェという あるいはキリスト教の英語だったらゴッドで フランス語だったらディユと呼ばれる それをアラビア語ではアッラーというんですね だから同じ神を信仰している むしろキリスト教だと宗派にもよりますが イエスは神であるとしていると でもユダヤ教はそれ認めないわけですし イスラームもイエスは預言者の一人であると
1:48:09 だからもっと神っていうのは人間の形をしているとか そういうのではないと むしろユダヤ教とイスラームの方が 徹底的に偶像崇拝を否定しているという点では すごく似ていますね なのでローマ帝国が キリスト教を国境にした時に 元々イエスもユダヤ人ですし ユダヤ教徒の間からキリスト教って広まったわけですが でも国境化したことによって キリスト教に改宗するユダヤ人もいたでしょうけれど むしろ改宗せずに残っていたユダヤ教徒が アラブイスラームに征服された後 イスラームに改宗する方は抵抗が少なかっただろう という風に言われています
1:48:55 多分違いがわからなかったんではないか というぐらい似ているんですね 久松:このガザの問題 我々日本人からすると多くの大抵の日本人にとって やっぱり遠い世界の出来事であるということで なかなかそれに自分が関与するということが 難しい状況にあるのかなと思います 率直に言って何ができますでしょうか?我々に 岡:まずこの地域が今イスラエルとなってしまってますけれども それからレバノン シリア、ヨルダン、イラク その5つ レバノンなんて 岐阜県程度の大きさなんです こんな狭いところに5つも 国民国家が林立することになったのは その第一次世界大戦後に戦勝国であるイギリス、フランスが
1:49:44 ここを植民地分割したことの結果なんですよね この1920年サンレモで開かれた会議に日本は参加してるんです 戦勝国として 要するに 東アジアにおける日本の植民地支配というものを認めてもらう その引き換えに中東植民地分割を承認している だから しかもそれによってイギリスはパレスチナを植民地支配し どんどんシオニストの入植を進めていく そこまで遡ったその起源に 日本はまず加害者側で関わってますし さらに言えば 第二次世界大戦においては このホロコーストを行ったドイツの同盟国であったという
1:50:30 そういうのがある 責任もありますよね さらに11年前にネタニヤフ首相が来日して 当時の安倍総理と会談し 日本とイスラエルの新たな包括的パートナーシップ構築のための 共同宣言というのを行っています 以来、産官学上げて イスラエルとのパートナーシップ提携が行われていて だから今このジェノサイドが行われている まさにその中で 防衛省がイスラエル製のドローンの購入を検討したりとか 日本はべったりイスラエルのパートナーになっている だからまずガザで起きていること
1:51:18 何人(なんぴと)の上にも 二度とジェノサイド、ホロコーストが起きないように ということが あの80年前のホロコーストの教訓であるとするなら でもそれが今まさに起きていて それをやっている国と日本は政府レベル そして企業レベル さらにはアカデミアにおいても パートナーシップというのが 国策として進められているわけですから まず有権者は それを変えないといけないと思います 久松:ありがとうございます 残り時間が十分程度になりまして ここらでフロアからの ご質問をお受けしたいと思いますけども
1:52:04 どなたかいらっしゃらないでしょうか? 質問者:どうも貴重なお話ありがとうございました 質問の前に一言 今ホロコーストのドイツの同盟国であったという ご指摘がありましたけども それと同時に今現在 日本が日米安保条約によって アメリカとの同盟国になっている という問題も非常に重要だと思います そこで岡さんに質問ですけどもお話を
1:52:49 聞けば聞くほど非常に絶望的になってくると言いますか 先ほどの国連の安保の状況も含めてですね 根本的な解決の方向を 岡さんはどのように展望していらっしゃいますか? 岡:はい、まず一つは イスラエルのアパルトヘイトがなくなることですね 今イスラエルという ネイションステイト=国民国家は イスラエル人の国ではなく ユダヤ人の国なんです イスラエルの人口の2割はパレスチナ系市民で 彼らは市民権があります 被選挙権ありますが しかしイスラエルはイスラエル人の国ではなく
1:53:35 イスラエルにいるユダヤ人と イスラエルにはいない世界のユダヤ人を ネイションとする国であるということ それが普通のイスラエルにいる全ての市民の国になる そういう国ができたんだったら あの西岸とガザにパレスチナ国家という形の 二国家っていうのもありだと思います もう一つは 川から海まで 今ユダヤ人至上主義のアパルトヘイトで 実質一国家でアパルトヘイトなんですね そうではなく川から海まで すべての人間が平等な まさに南アフリカが実現したような一人一票の 政治的に平等なそういう国ができるということ
1:54:20 それが私たちが目指す本当の問題の解決だと思います 世界が主導して 世界というか西側諸国が主導して言っている 二国解決案というのは このアパルトヘイトの ユダヤ人によるユダヤ人のためのユダヤ人の国としての イスラエルを 温存したまま その傍らにパレスチナ国家を作るというものであって これは本当の解決にはならないと思います よろしいでしょうか 久松:もうひと方 質問者:ありがとうございました まずもって龍谷大学がこのような企画をされたことに対して
1:55:10 龍谷大学が素晴らしいと思いました 私は学生時代にベ兵連の活動をやっていたものです その時にみんなで協力して集会とか 非暴力デモ、ガンジーやキング牧師の思想を受け継いで やっていました ベトナム戦争を止めたっていう少し自負があります 私はカトリック信者です 私の父は昔、特攻隊員の養成をやっていました 父はイスラムの自爆テロを見て
1:55:58 なんてひどいことやるんだということを私に言いました 私はそれは相手に対する国家テロ 戦争を仕掛けてくる 国家テロに対するささやかな抵抗であるという風に答えました 父はそれで口をつぐんでしまいました 昔国連の救済機関に行ったことがあります そしてそのことを言いましたらある会社の社長さんは テロリストになったらどうするんだとその人たちが というようなことを私に言いました テロリストに対する反対 反ユダヤ主義に対する反対の言葉として
1:56:44 反人道主義者という風に私は考えます。ですから 国家テロ反人道主義という風に答えてるんですけど 岡先生、入澤先生、いかがでしょうか 岡:ごめんなさい 質問の趣旨が今一つよくわからないんですが 質問者:そういう反動 反ユダヤ主義に対して反人道主義者ではないかと その対義にあるものは 個人テロに対する戦争はそれは国家テロじゃないかという風に
1:57:29 私は答えている というようなレスポンスはいかがでしょうか 岡:まずイスラエルがまずテロといった時に 個人があるいはパレスチナ人が行う 民族的抵抗としての攻撃のみがテロ呼ばわりされて 戦争だけではなく イスラエルが行っていることっていうのが まさに国家テロなんですよね だからそれがテロとして そもそもテロルというのは国家テロが起源ですよね それと直接的な 質問に対するお答えにはならないんですが やっぱり今日問いとして提起したかったのは
1:58:16 例えば反ユダヤ主義というのも つまりそれがイスラエルにとっては イスラエルの犯罪を非難するための 非難する議論を封殺するための資源として利用されている ホロコーストの記憶もそうです ですから 一体何が反ユダヤ主義なのかということ それが限りなく曖昧になってしまっている 反ユダヤ主義というのは英語で アンチセミティズムと言います ですからこれは講演の中でも申し上げたように ユダヤ教徒を人種化する 信仰の問題を人種化して セム人だと言って差別する
1:59:03 ユダヤ教徒っていろんな人たがちいて これは人種でも何でもない むしろ中東の人たちをセム人と呼ぶならば アラブ人とかムスリムの人たちこそが よっぽどセム人なんですね だからまず反ユダヤ主義って一体何なのかということを 私たちが そういうイスラエル批判とかイスラエルを あるいはシオニズムを入植者植民地主義だとかいうこと自体も すべてを反ユダヤ主義なんだという そういうシオニズム側の議論に則って 反ユダヤ主義ということが語られている という現状がありますので まずそこをしっかり私たちが抑えるということが必要
1:59:49 あと反人道主義というふうにおっしゃいました 人道ですね ヒューマニティ 今日は十分そこのところの 提起できなかったんですが むしろグテーレス事務総長が ヒューマニティの危機とか ヒューマニティの完全崩壊ということを言う その時ヒューマニティというものは 人間全てに共通するものとして ある種、自明なものとして語られていると思います でもそうなんだろうか ということを実は提起したかったということがあります 果たしてヒューマニティって何なのでしょうか
2:00:36 危機にさらされている あるいは崩壊するようなものとしてのヒューマニティというのが 前提となっているわけですが そもそも人間が人間であるっていうのは 一体どういうことなのかと これを行っているのも人間なわけですよね しかもそれを維持しようと これはアメリカだけじゃないです この世界のグローバルな世界システムそれ自体が ジェノサイドを良しとしている 人間が人間であるということの意味ですね それをもう一回考えていただきたいと思います
2:01:24 だからごめんなさい 直接的なお答えではないですけれども 反ユダヤ主義 それからヒューマニティって何なのかということを もっと根源まで プリモレービが 自分はドイツ人であることが恥ずかしい と言ったドイツ人に対して 人間であることが恥ずかしいと言った 人間がこうした犯罪を犯し得るという それを前提に考えた時に一体ヒューマニティって何なのか 私たちはヒューマニティというものを 自明の前提として語るということが 今すごく不可能とは言わないけれども難しい
2:02:10 そういう地点にいるのではないか 長くなってごめんなさい ホロコーストの後でですね このヒューマニティということを絶望的になった者たち っていうのは プリモレービであれジャンアメリ―であれ あの絶滅収容所を体験し 自ら命を絶つそういう当事者だったわけです それ以外の者たちはそこを問わないできたと思います でもこの二十一世紀のホロコースト ガザのジェノサイドというのは 冒頭申し上げたようにガザでジェノサイドが起きている時に 私たちはガザでそのジェノサイドが3年目を迎えた その時に新年明けましておめでとうなどと言って ぬくぬくと暖かい部屋で美味しいものを
2:02:55 食べたり飲んだりしてグルメ番組とか見てるわけですね これが人間です ではこの時つまりこの絶望的なヒューマニティというのを 私はガザのジェノサイドというのは その当事者ではなくてこの地球上の私たち全てが そのような問題として提起した そういうものであるという風に思います 久松:ありがとうございました。最後に 入澤さん、一言よろしいですか 入澤:本質を問うということですね それを突き詰めていくと 結局、人間とはいかなる存在なのかっていうこと それを問うということなんですよ 龍谷大学というのはそれを問う大学です
2:03:43 先ほど宗教の問題が出ましたけども 実は仏教系の大学であるからっていうことで 仏教っていうのは非常に日本人にとっては自明な ことだと思いますけども この仏教ということすらも 実は西洋で言われていたブディズム それを仏教という風に言ってるんですよね 私は仏教というのは どうしてガンジス川の片隅で生まれた 小さな宗教として出発した仏教が アジア全域に広まったのかっていうことを ずっと問題にしてしておりました 仏教を必要とされた地域 それはかつての紛争地帯です
2:04:30 ですから 穏やかな顔の美しいガンダーラの仏像っていうような これは一般の人には非常に好評なんですけれども 私はあの優しいお顔の仏像の背後に どれだけの人の血が流れていたかと いうことですね やはり私たちが今本当に問わなくてはいけない それはもちろん 困難な状況にある人に救いの手を差し伸べるという それも必要 けれども 根本的に私たちが問わなければならないのは 今私たちが寄って立っている この立脚点というものですね 私たちが通常の思考であったり価値観であったり それをもう一度問い直すっていう
2:05:17 それが私は今 一番必要なんじゃないかなっていう風に思ってるんですね ですから今のイスラエルとハマスというような それをあたかも私たちが小さい頃よく見てた西部劇ですね 正義の味方のカウボーイがいて そして悪者のインディアンがいてっていうような そういう単純な図式に陥ってやしないのか 私は小さい頃カウボーイ ボナンザとか いろいろアメリカのテレビ番組が 好きだったんです けれども高校生の時かな あれはソルジャーブルーって映画 だったですかね ソルジャーブルーでしたね インディアンの側に立ってみたらどうかっていう
2:06:05 その時私は非常に衝撃を受けました ですからその時初めて いつも悪者であったインディアンっていうのは それは作り出されたものであったんだと 現実はどうだったのかっていうこと その時非常に私は強い思いを持つようになりました ですから 今起きていること それを非常に短絡的に捉えて こっちが正義こっちは悪者っていうような そういうような短絡思考に陥っている私たち っていうものを問い直すっていう機会がやはり必要だなと だから今回は岡先生に お邪魔していただいて龍谷大学でガザの現状
2:06:50 そして歴史的文脈っていうものがですね しっかり説明していただいたというのは これは本当に私にとっては貴重な機会であったと 岡先生にはあのお礼を言いたいと思いますし 明日沖縄に行かれるそうで 沖縄の高校で講演をされるそうなんですね だから今 今日の講演の中にあった 日本は平和という風に多くの人が思ってる 感じてるけども 沖縄はどうなんだって 沖縄にいる人の立場っていうものですよね それをやはり私たちは他人ごとにしないで 自分のこととして 考えるっていうこと その習慣というものを身につける というのが必要ではないかなと強く思います 久松:ありがとうございます
2:07:36 私たちの魂のこの奥底までですね 抉られるようなと言いますか 激しく重くまた緊急性の高い 問題ですね お話いただきましたことを 心から感謝申し上げます 今後大学としても そして個人としてもガザを他人ごとではなくて やっぱり自分ごととして受け止めて 何らかの行動に結びつけられたらと希望するものであります 本日は本当にありがとうございました 盛大な拍手をお願いします 司会:岡さん、入沢さん、久松さん ありがとうございました 話を聞かせていただいて 短い限られた時間でございましたので まだ心の中の整理が付いておりませんが
2:08:24 これから常に考え続けていくということが大事かな という風に感じさせていただきました 皆様にお願いがございます お手元にアンケート用紙があるかと思います お持ちじゃない方入り口にございますので 今後の参考のために 是非ご記入いただいてお帰り頂ければと思いますし オンラインでご参加の方はYouTubeの下の 概要欄にリンクがございますので そちらからアンケートをお答えいただければと思います 久松:最後インフォメーションをします 今日は先生ご自身 非常に我々にとっては非常に詳しいですね 歴史的な背景というものを伺ったんですが 先生これまでいろんなところで講演されておりまして 例えば
2:09:09 早稲田とか京大なされたご講演で ガザとは何かという 動画として公開されてありますので この講演ではガザ地区の現状やパレスチナの問題について 非常に詳しく解説されておりますので ぜひご覧いただければと思います 『岡真理 ガザとは何か』 検索したらすぐに出てきますのでご覧いただければ という風に思っております どうもありがとうございました 本日は皆様ご参加誠にありがとうございました これを持ちまして 本日の講演会・シンポジウムを終わらせていただきます 皆さんお忘れ物なきようどうぞお気をつけてお帰りください またYouTubeご視聴の皆さんもありがとうございました