「補聴器で耳鳴りが治らない」これが解答です

簡単なまとめ

この動画では、難聴に伴う耳鳴りに対する補聴器の効果について、従来の考え方と新しい視点から解説しています。補聴器を使用しても耳鳴りが完全に治らないと感じる患者さんの疑問に対し、耳鳴りのメカニズムと、補聴器がもたらす効果の真相を明らかにします。

  • 補聴器は耳鳴りの根本的な治療ではなく、対症療法として捉えるべき
  • 耳鳴りは脳の構造変化ではなく、情報処理の問題として理解する
  • 補聴器の効果は、難聴による音の不足を補い、正常な聴覚状態に近づけることにある

難聴あり耳鳴りは補聴器が最強なんでしょう?

以前の動画で、難聴に伴う耳鳴りには補聴器が有効であると説明しましたが、補聴器を使用しても耳鳴りが治らないという相談が寄せられました。この動画では、その理由と解決策を解説します。

補聴器で耳鳴りが治らないとはどういうことか

ある患者さんの事例を紹介します。その方は23年前から両側の耳鳴りがあり、特に右側が辛く、最近はキーンという音が一日中鳴っています。別の耳鼻咽喉科で右耳の耳鳴りに対して補聴器を試したところ、使用中は耳鳴りが聞こえなくなるものの、外すとすぐに聞こえ出すという状態が続いていました。その後、左耳にも耳鳴りが出現し、どうすれば良いか悩んでいました。

補聴器が最適のはずなのに

検査の結果、両側の耳鳴りがキーンと常になっている状態で、耳鳴り辛さ度は90と重症でした。耳鳴りの大きさは8000Hzで60dBと大きく、バンドノイズで完全に隠すことができ、一時的に消失させることもできました。軽度難聴であるものの、耳鳴り辛さ度が高いため、補聴器が最も適していると考えられます。

脳活性と補聴器リハビリ

従来の耳鳴り治療の考え方では、難聴によって音が入らなくなった分、脳の活動が増加し、耳鳴りが起こるとされていました。補聴器リハビリで音を与え、脳の構造を戻し、脳の活動を下げて耳鳴りを小さくするという説明が一般的です。しかし、この方法では補聴器を外すと耳鳴りが戻ってしまうことが多く、根本的な解決にはなっていません。

耳鳴りメカニズム

耳鳴りは脳の構造によるものではなく、音が足りない状態に対して脳が補正して作り上げているものです。詳しいメカニズムは動画の最後に説明しますが、ここではその考え方に基づいて解説します。

患者さんが感じている「治らない」の真相

補聴器をつけるとすぐに耳鳴りがわからなくなるということは、実はすでに治っていると言えます。難聴のために音入力が少なくなっている状態が耳鳴りを引き起こしていますが、補聴器をつけることで音入力が改善され、耳鳴りがなくなるのです。

補聴器をつければ耳鳴りはしない

正常な聴覚を持つ人が音が少ない環境に置かれると耳鳴りが生じることがあります。耳鳴り患者さんも補聴器で正常者並みに聞こえるようになれば、正常者と同じ状態と言えます。補聴器はまず対症療法として考え、脳の構造まで変えようとすると時間がかかり、いつまでも治らないと感じてしまいます。

耳鳴りがしていなかった方の耳も耳鳴りが鳴りだした?

耳鳴りは左右で影響し合うことがあります。片方の耳鳴りが強いともう片方は抑制されることが多いですが、片方の耳鳴りがコントロールされると、もう片方の耳鳴りが聞こえ出すことがあります。この患者さんの場合、左耳に耳鳴りが出てきたということは、右耳のコントロールがうまくいっている証拠です。

補聴器は高価 最適な治療法とは

両耳に補聴器を使用すると高額になるため、他の治療法を検討する患者さんもいます。音響療法を選ぶ場合、補聴器は医学的には正しいものの、値段が高いために躊躇することがあります。コストや煩わしさを考慮し、総合的に選択できることが望ましいです。この患者さんはマスカ―で様子を見ることにしました。

耳鳴りは脳の構造ではなく情報処理の問題であることの追加説明

耳鳴りは脳の構造ではなく情報処理の問題であるという理論は、2016年以降の研究に基づいたもので、明確な矛盾がありません。脳の構造の理論では、音入力が少ないことで脳の活動が増加して耳鳴りが大きくなるとされていますが、外の音も大きくなるはずです。しかし、実際にはそうなりません。また、耳鳴りの元がどこにあるのかも特定できていません。耳鳴りは極めて強大で安定なものであり、わずかなノイズを増幅しても作り出すことはできません。耳鳴りは、座標を動かすレベルの存在なのです。

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0:00 皆さんこんにちは 耳鼻咽喉科の野田和弘です 耳鳴り外来レポートでは一人一人の患者 さんの治療の様子を報告しています今回は その後 補聴器でも耳鳴りが治らないこれが回答 ですをお送りします 難聴有り耳鳴りは補聴器が最強でしたこれ は前回の耳鳴り外来レポートをその4でも お話ししていますしかしその補聴器を使用 しても 耳鳴りが治らないと相談に来られました どういうことでしょうかその回答をします この方は2022年5月の初診です23年 前から両側の耳鳴りがあり特に右側が辛く 最近はキーンという音が一日中なってい

0:46 ますこの方別の耳鼻咽喉科で右の耳鳴りに 対して 補聴器を試されて開始からすぐに 補聴器使用中は耳鳴りは聞こえないしかし 外すと耳鳴りが聞こえ出すそれが変わら ないということですそうこうしているうち に左の耳鳴りも出現しだしたどうしたら よいかとおっしゃられます当院の検査の 結果です 両側の耳鳴りが キーンと常になっている状態で 耳鳴り辛さ道は90と重症です 耳鳴りは8000hz60dbとかなりの 大きさでバンドノイズで 耳鳴りを完全に隠すことができ1分程度 消失させることもできましたつまり

1:32 マスターの反応は 良好ですこの方 軽度難聴なので 難聴だけで考えると 補聴器の適用は微妙ですが 耳鳴り辛さ度が高く 補聴器が走行するので 補聴器が最も 適していると思いますつまり今の耳鼻咽喉 科さんでの治療は大変 適切です この方の場合 補聴器が基本と考えるのでマスターの話は 一旦置いておきますこの方 補聴器使用の開始からすぐに 補聴器をつけたら 耳鳴りは聞こえない外すと耳鳴りが 聞こえるこれが変わらないだから治ってい ないんじゃないかと心配されているんです ねこういう方は大変多いんです実は皆さん

2:20 これは 耳鳴りとは何かという 根本の問題に関わりますこの方は本当に 治っていないんでしょうか今ほとんどの 先生方が 耳鳴りの従来の考え方つまり 難聴によって音が入らなくなった分 脳の活動が増加し 耳鳴りが起こったそこで補聴器リハビリで 音を与えて 脳の構造を戻して 脳の活動を下げて 耳鳴りを小さくするという説明をされてい ます もし脳の構造を変えて 耳鳴りを小さくしたならば 補聴器を外しても 耳鳴りが収まっているはずですねもう一度 戻しますね 脳の構造を変えるわけだから 治療効果は徐々に現れて最後には耳鳴りが

3:06 消えている状態が 持続するはずですしかし実際は 補聴器をつけるとすぐに耳鳴りが消えて 外すと耳鳴りが戻るその状況が変わらない そういう方がとても多いので 補聴器は対処療法じゃないかと感じておら れる先生も少なくないこれは動画 耳鳴りの原因ナンバー5でもそういう声を 紹介しています 耳鳴りというのは 脳の構造によるのではなくて今まで述べた ように音が足りない状態に対して 脳が補正して作り上げているものなんです ここで詳しい理屈は動画の最後に回します 理屈が嫌という方も多いので 興味のある方は見てくださいここではこの

3:53 我々の考え方で説明します この患者さん 補聴器をつけるとすぐ 耳鳴りがわからなくなるということは実は すでに 治っているんですつまり最初から 治っていると言ってもいいでしょうここで 図で説明します 耳鳴り患者さんの普段の状態っていうのは このように 難聴のために音入力が少なくなっていて そのために 耳鳴りが生じています一方で 補聴器をつけた状態で考えると音入力が 良くなってその分 耳鳴りがなくなっています つまり 耳鳴り患者さんは 補聴器をつけたり外したりでこのような

4:39 範囲の中で生活しています 次に正常者で考えますと正常者の普段の 状態はこのように音入力が良くて 耳鳴りがない状態ですところが正常者でも 実験的に音が少ない環境 難聴者並みにしか聞こえない状況にすると 耳鳴りが生じるんですねこれ皆さんどう ですか 正常者も 耳鳴り患者さんも同じですよね 耳鳴り患者さんでも 補聴器で正常者並みに聞こえて 耳鳴りがなくなるならばそれは正常者と 同じではないでしょうか 音が少ないことに対する 反応として 耳鳴りができるだけでそれは正常者も

5:26 耳鳴り患者さんも同じなんです それならば正常者と耳鳴り患者さんは全く 一緒なのかと言われると少し違います もし耳鳴り患者さんが 補聴器をずっとつけて一旦耳鳴りを忘れ られる状態になったとしましょうそして その後 補聴器を外すと 耳鳴りの元がやはり生じます 耳鳴り患者さんは 耳鳴りの音を覚えていて 耳鳴りのもとが出現すればすぐに気づいて また大きくなりやすいでしょう 一方正常者が同じ状況になっても今まで 耳鳴りの音を知らないので最初は気づか ないですね人によっては気づくまで大変

6:13 時間がかかります正常者と言っても いろいろでわずかな状況で耳鳴りを感じる 人もいればそうでない人もいます 極端な例では音が全くしない部屋に入ると 正常者の80%が5分で耳鳴りを感じるん ですそういうのも全部ひっくるめて正常者 と言うんですね 耳鳴り患者さんも 補聴器をするだけでこのグループに入る 可能性は高いですねつまり 補聴器はまずは対症療法と考えるべきなん です 脳の構造まで変えようとすると大変です いつまでたっても治らない 治るのまだとなってしまいますこの患者 さんは当初より

6:59 補聴器をつければ 耳鳴りがないこの時点でOKなんですね そして左でも耳鳴りが出現しだしたこれは どういうことか 耳鳴りは左右で影響し合うんです左右とも 聴力が同じ程度なのに 片方の耳鳴りだけが大きい場合がよくあり ます 片方が強いともう片方は 抑制される場合が多いんです私自身の例 ですが 元々耳鳴りが大きい片方の耳に長時間 補聴器をかけると 耳鳴りがなかったもう片方の耳鳴りが 聞こえ出しますこの患者さんの場合左の 耳鳴りが出てきたということは右の コントロールがうまくいっているという ことなんですこの方の聴力は左右ともよく

7:46 似ているので今後右をうまく押さえ続けれ ば左の耳鳴りが起こってくるでしょうその ことを踏まえると今後は両側に補聴器を 使用するのがベストだと考えます このことを 患者さんに伝えますと両側に補聴器だと 20万円以上して高いので松明で代用でき ないかとおっしゃられましたここで音響 療法を選ぶ場合に 補聴器は確かに医学的には正しいんだ けれども 値段が高いためにためらう場合があると 以前も述べましたコストのためにマスクを 選ぶこともあります 医学的な検知以外にも 煩わしさとかコストを踏まえて総合的に 選択できることが望ましいと思いますこの

8:35 患者さんはマスカで様子を見ることにし ました 以上まとめましたこれがこの患者さんの 質問に対する回答です さて番外編です 耳鳴りは 脳の構造ではなく情報処理の問題である ことを 追加説明します 脳の構造の理論は2016年以前の 研究に基づいているんですが事実上指定さ れています一方情報処理の理論は2016 年以降の研究に基づいたもので明確な矛盾 がないんです 脳の構造の理論では音入力が少ないことで 脳の活動が増加して 耳鳴りが大きくなるとされていますしかし

9:21 その前にまず外の音が聞こえていますよね 脳の活動が増加するならば 耳鳴りだけではなく外の音も大きくなる はずですよねだけどそうなりません外の音 はどうして大きく聞こえないの 外の音をよく聞くために脳の活動を増加さ せているのに外の音が変わらないなら意味 ないですよねというか 脳の活動を増加して 難聴を補えるんだったら 難聴の人なんていないわけですそれができ ないから苦労しているわけですね そしてまずそもそも論なんですけれども 脳の構造の理論では 耳鳴りがどこかにあるはずですそもそも

10:07 その耳鳴りのもとは何どこにあるのかが さっぱりわからないんです今まで 散々探されているのにこれが耳鳴りだって いうものが全く見つからない電気信号でも 構造の上でも全く見つからないこんなに 不思議な事ってないですよね 耳鳴りってものすごく大きくなる場合も あるのに 影も形も見つからない今までの常識では 説明がつかないんです何もないならば 仕方がないノイズのようなところから 無理やり引っ張り出して増幅すれば耳鳴り になるだろうそれしかないよねっていうの が今までの理論なのです しかしこれは無理なんですね正常者にすら

10:52 全く聞こえない 誤差のレベルから無理やり引っ張り出して 耳鳴りを作り出せるのか 理論上は不可能ですこれは私どものホーム ページでも説明しています 耳鳴りは極めて強大で安定なものです青柳 のものをいくら増幅しても耳鳴りはでき ません 我々の理論つまり 座標を動かす 底上げをするつまり 耳鳴りの土台を動かすレベルの存在なん ですさて従来の理論の問題点を説明しまし たしかし 誤解のないように言っておきますが 補聴器でリハビリをする実践方法はとても 重要だと私も考えています多くの先生方が 補聴器で切磋琢磨しておられるその方法論 に対して私はリスペクトを持っています

11:39 しかし一方で耳鳴りの元がちゃんとあって そこはまず対症療法で考えるべきだよと いうこともきちんという必要があると思い ます以上です次回また全く別の 患者さんに対して説明していきます [音楽]

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